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2012年4月 9日 (月)

和田家文書偽書疑惑事件の真相

 「和田家文書」と呼ばれる、膨大な古文書が存在する。この中で最も有名なのは、『東日流外三郡誌』という、江戸時代成立の古文書である。

 この文書について、「偽作説」が出ており、定説に近い地位を占めている。主な偽作論者は安本美典であるが、ここに原田実と斉藤光正という二人の人物が加わり、話は複雑化する。

 斉藤光政は『東奥日報』の新聞記者であり、原田実は古田武彦元教授の助手であった。単なる古文書の偽作論争がなぜ大問題になったのか?それを今日は述べよう。

「擁護派の巨頭」の助手が偽作論者に!

 「和田家文書」は真作である、と主張していたのは日本思想史学者の古田武彦元教授(当時現役)である。彼は「好太王碑」(倭国の朝鮮進出や任那の存在を裏付けている碑文。当時、「日本軍による碑文改竄説」が有力だった)の現地調査を実行し、「碑文改竄論争」に終止符を打つなど、古代史における第一人者であり、中世・親鸞研究の専門家でもあった。

 そのような、文献史学の大家が「和田家文書、真作説」を主張したことから、学界でも「和田家文書、真作説」を唱える人が増えた。この「和田家文書」とは何か?古田元教授の支持者の古賀達也氏の文章を引用しよう。

 青森県五所川原市飯詰の和田家に推定一万点を越えるとされる先祖より受け継いだ、あるいは山中より発見された文書・遺物がある。文書は数千冊、遺物は一万点にも及ぶという(当主和田喜八郎氏談)。まさに「北の正倉院」とも称すべき様相である。中でも文書類は「和田家文書」と称され、その内容は津軽(東日流)の古代より近代に至る伝承などが記された一大伝承史料群である。その文書群の一つ「東日流外三郡誌」は昭和五〇年に『市浦村史資料編・東日流外三郡誌』として刊行されたこともあり、全国的に脚光をあびることとなった。(「東日流外三郡誌とは――和田家文書研究序説」古賀達也『新・古代学』第一集)

 このように、「推定一万点」という大きなスケール、しかも、内容も三春藩主の養子が古代から中世にかけての「安東水軍」などの、俗にいう「東北王朝」の歴史・資料を集めたものというから、大きな話題となった。

 この「和田家文書」によって、考古学発掘の報告書が作られることもあった。だが、以前から偽作論者がいた上に――近世文書における真偽論争は珍しくない――古田元教授の助手であった原田実が「『和田家文書』は戦後の偽書」と主張、流れは一気に変わった。

彼(引用者註――和田家文書の当時の保有者・和田喜八郎)は20代の頃から地元の郷土史家の手伝いをして史料を探していた(実際には自分で「史料」を作って提供していたようだ)。彼は終世、スポンサーの求めに応じて「古文書」を貸し出し、あるいはそれをタネにした埋蔵金詐欺を行うことで現金収集を得ていた。(「『東日流外三郡誌』は古代東北の真の歴史を伝える古文書か?」原田実)

原田は古田武彦や和田喜八郎を「詐欺師」「学匪」「偽作者」と呼んだ。そして、そこへ『東奥日報』の記者・斉藤光政が「和田家文書は偽書である」という主張の記事を大量に記した。地元の新聞社による影響力は強かった。

 原田氏や斉藤記者がよく根拠に挙げるのが、「桐原証言」である。斉藤によると、古田から二百万円を受け取った古美術商の桐原氏が「本物そっくりの古文書を作ってくれ」と言われた、と「証言」したという。それも「寛政原本」(江戸時代の『和田家文書』の原本、2007年まで未発見であった)の偽作を依頼された、と「証言」したというのである。

偽作論者の「偽証言」が明らかに!

 それは『アサヒ芸能』の記事であった。斉藤記者はその『アサヒ芸能』の記事からの引用を自分の著書に掲載している。

 ところが、斉藤記者はそれを「弁護士の前で念書を書いてまでの証言」としたが、その「念書」に問題があった。この「念書」により、偽書派の「詐欺」が明らかになったのである。

 まず、その「念書」の体勢が問題である。これは本人の署名を除くと「ワープロ念書」なのだ。これでは桐原氏の文章かどうか、全く不明である。

 次に、「念書」の「内容」であるが、それは次のとおりである。

 「  念   書
 一 私は、一九九三年六月から同年七月にかけて、いわゆる『和田家文書』とみられる文書のレプリカ作成を、昭和薬科大学教授古田武彦氏から確かに依頼されました。
 二古田教授からは、私に対し、右レプリカ作成の対価として、私名義の銀行預金口座(広島総合銀行普通預金口座番号一三六二四八八)への振込送金が左の とおりありました。
 一九九三年六月一六日  金一〇〇万円
    同年七月 五日  金一〇〇万円
 三 なお、事実の詳細については、本日吉沢寛法律事務所において安本美典教授および吉沢寛弁護士に対して申し述べ、テープ録音して頂いたとおりです。
     右のとおり相違ありません。
         平成六年七月一五日」

 この「念書」には「レプリカ作成」とは記されているが、「寛政原本、偽作」とはどこにも記されていないのである。

 これでは「偽作の証拠」とはいえない。それについては、実は「証人」のはずの桐原氏が「証言」しているのである。この「証言」については、すでに古田武彦氏が「録音テープ」の形で保存している。

 この「桐原氏の証言テープ」の内容からしても、例の「ワープロ念書」は信ぴょう性に欠ける。そもそも、「証言録音」と「ワープロ念書」では信憑性に違いがありすぎる。

『アサヒ芸能』と『東奥日報』の偏向報道

 「ワープロ念書」と「偽造証言」で「寛政原本、偽作」を報じた『アサヒ芸能』。それをもとに記事を書いた『東奥日報』の斉藤記者。

 その斉藤記者は実は「社会部」であって、「政治部」ではない。斉藤記者は「日米安保反対」の「政治記者」なのである。

 ここに、この「偏向報道」と「和田家文書偽書疑惑事件」の真相を解くカギがあるのだが、これについてはまた別の機会に述べる。

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コメント

よう菅本やww
本間にブログ始めたんやなww
こっちもブログやってるけど訳あってアドレスは教えれねえ・・・
おれが立てているチャットルームのアドレスなら教えれるでww
http://www1.x-feeder.info/gigafeeder0123/
やよろしく頼むで~
どんなことでも書いてええからww
わからん事等あればdunp0223kira@yahoo.co.jpまでよろしく頼むわw
パソコンのアドレスやからすぐには応答できんかもしれんけどww
まあたぶんこれから書かんと思う(ブログ内容がしょぼすぎる)
じゃあな!!

 ここ十日ほど更新が無いけれど、ネタ考え中ですか?まあ適当に更新してください。暇な時に見ますので。

文章は見直しながら書きましょう。「斉藤光正」と記して、すぐ後に「斉藤光政」と
書いている(後者が正解)。また、「念書」の「体勢」は、「体裁」のことではありませんか?
ちなみに、「ていさい」と読みます。体勢は身体上の姿勢のことで、「ていさい」
は文章のしつらえ方をいいます。
和田家文書については斉藤氏の本で知った以上の知識はありません。その本
には、東奥日報の記者を勤め、その新聞社には「政治部」はありません。「政経部」
はあります。

ご指摘はありがたいです。
>和田家文書については斉藤氏の本で知った以上の知識はありません。その本
には、東奥日報の記者を勤め、その新聞社には「政治部」はありません。「政経部」
はあります。<
誤りは近いうちに訂正します。ただ、この文章の根幹部分に影響はありません。
通常、歴史関係の記事は「文化部」の記者が執筆します。それに対し、斉藤記者が「文化部」の所属ではなく、「政経部」「社会部」の所属であることは、東奥日報弘前支社の佐々木純一氏が、西村俊一教授の取材に対して認めています。
この記事には書きませんでしたが、斉藤氏の著書でも紹介された『アサヒ芸能』の記事がねつ造であることは、桐原氏が、弁護士立会人の下で証言しています。斉藤記者の著書にはそのように、地震に不都合なことを意図的に隠ぺいしている部分が多々あります。
例えば、原田実氏が古田武彦教授(当時)の助手であったことも書かれていません。

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