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2016年7月19日 (火)

《乙巳の変=657年説》を提唱する


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私が小学生のころから、古田史学の会やその周辺では、「前期難波宮」や「大化の改新」を巡る議論が活発になっていますが、私は個人的には、その問題よりも「乙巳の変」(天智天皇と中臣鎌足が蘇我入鹿を暗殺し、権力を奪取した事件)そのものに関心がありました。

というのも、故・古田武彦先生が生前に示唆されていたように、乙巳の変は定説で言うような645年ではなく、また、一部の古田史学の方が言われているような695年でもなく、657年なのではないか、と思っていたからです。(但し、古田先生自身は、「乙巳」という干支にクーデターが起きた事実、それそのものが「造作」ではないか、との立場のようです。)

さて、ここで、興味深い話があります。

『古事記』と『日本書紀』を読み比べると、最大の違いは、「年代」です。

『古事記』では、天皇の崩御年の干支や在位期間は、飛び飛びに記されているだけで、天皇陛下が「崩御された年の干支」と「在位された年数」の双方が記されているのは、敏達天皇から推古天皇までの、四天皇だけです。個人的には、その背景には、「倍数年歴」の問題や、いわゆる「辛亥の変」の話もかかわってくるのだと思いますが、ここでは、断言はしません。

一方、『日本書紀』においては、神武天皇から持統天皇までの天皇陛下の話が、全て、日付まで干支付きで記されています。例えば、『古事記』だと、敏達天皇の直前の欽明天皇の時代には、なぜか、崩御の時の干支も、年齢も、在位年数も、全く、記されていないのですが、『日本書紀』には、そのようなブランクは、皆無です。

そして、敏達天皇から推古天皇までの、『古事記』と『日本書紀』の年代に関する記述は、だいたい一致します。


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私が何を言いたいのか、というと、敏達天皇から推古天皇までの、年代に関する記事は、『古事記』と『日本書紀』で「同一」の出典となる資料を使用している可能性が高い、ということです。

さらにいうと、『日本書紀』における「神武天皇⇒持統天皇」までの「年表」が完成する前に、既に「敏達天皇⇒推古天皇」の部分の「年表」が作成されていた、ということです。

さて、古田先生は『失われた九州王朝』で、『日本書紀』「舒明天皇紀」の記事が十二年ずれている可能性を指摘し、さらに「日本書紀の史料批判」ではそれが「推古天皇紀」に適用されることを論証しました。

私も、そうした古田先生の説に、全面的に賛成です。詳しい論拠は別に述べます(古田先生の『古代は輝いていたⅢ』もお読みください。)が、『日本書紀』における推古天皇と、舒明天皇の記事は、12年、後にずらすべきである、と思います。

しかし、古代史の記録において、12年も年表をずらすと、その前後の記録も連動させなければならず、その影響はかなり大きくなります。

まず、「敏達天皇⇒推古天皇」の部分の「年表」は、確実に、12年、ズレているでしょう。

さらに、推古天皇の次の舒明天皇の時代の記録も12年ズレていることを、古田先生は論証しています。

では、その「下限」は、どこでしょうか?

まさか、日本古代史のすべての年代が、実は12年、ズレていた、等という、トンデモ説を主張する気は、ありません。『日本書紀』の記録は、どこかで、正しい年代(?)に「戻っている」はず、です。

それについて、一つの「仮説」が、浮かびました。


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まずは、以下の表を見てみてください。

西暦 九州年号 『書紀』編年 ヤマト王朝実編年
593 端政五年 推古一年 敏達十年
594 告貴元年 推古二年 敏達十一年
595 告貴二年 推古三年 敏達十二年
596 告貴三年 推古四年 敏達十三年
597 告貴四年 推古五年 敏達十四年
598 告貴五年 推古六年 用明一年
599 告貴六年 推古七年 用明二年
600 告貴七年 推古八年 崇峻一年
601 願転元年 推古九年 崇峻二年
602 願転二年 推古十年 崇峻三年
603 願転三年 推古十一年 崇峻四年
604 願転四年 推古十二年 崇峻五年
605 光元元年 推古十三年 推古一年
606 光元二年 推古十四年 推古二年
607 光元三年 推古十五年 推古三年
608 光元四年 推古十六年 推古四年
609 光元五年 推古十七年 推古五年
610 光元六年 推古十八年 推古六年
611 定居元年 推古十九年 推古七年
612 定居二年 推古二十年 推古八年
613 定居三年 推古二十一年 推古九年
614 定居四年 推古二十二年 推古十年
615 定居五年 推古二十三年 推古十一年
616 定居六年 推古二十四年 推古十二年
617 定居七年 推古二十五年 推古十三年
618 倭京元年 推古二十六年 推古十四年
619 倭京二年 推古二十七年 推古十五年
620 倭京三年 推古二十八年 推古十六年
621 倭京四年 推古二十九年 推古十七年
622 倭京五年 推古三十年 推古十八年
623 仁王元年 推古三十一年 推古十九年
624 仁王二年 推古三十二年 推古二十年
625 仁王三年 推古三十三年 推古二十一年
626 仁王四年 推古三十四年 推古二十二年
627 仁王五年 推古三十五年 推古二十三年
628 仁王六年 推古三十六年 推古二十四年
629 仁王七年 舒明一年 推古二十五年
630 仁王八年 舒明二年 推古二十六年
631 仁王九年 舒明三年 推古二十七年
632 仁王十年 舒明四年 推古二十八年
633 仁王十一年 舒明五年 推古二十九年
634 仁王十二年 舒明六年 推古三十年
635 僧要元年 舒明七年 推古三十一年
636 僧要二年 舒明八年 推古三十二年
637 僧要三年 舒明九年 推古三十三年
638 僧要四年 舒明十年 推古三十四年
639 僧要五年 舒明十一年 推古三十五年
640 命長元年 舒明十二年 推古三十六年
641 命長二年 舒明十三年 舒明一年
642 命長三年 皇極一年 舒明二年
643 命長四年 皇極二年 舒明三年
644 命長五年 皇極三年 舒明四年
645 命長六年 大化元年 舒明五年
646 命長七年 大化二年 舒明六年
647 常色元年 大化三年 舒明七年
648 常色二年 大化四年 舒明八年
649 常色三年 大化五年 舒明九年
650 常色四年 白雉元年 舒明十年
651 常色五年 白雉二年 舒明十一年
652 白雉元年 白雉三年 舒明十二年
653 白雉二年 白雉四年 舒明十三年
654 白雉三年 白雉五年 皇極一年
655 白雉四年 斉明一年 皇極二年
656 白雉五年 斉明二年 皇極三年
657 白雉六年 斉明三年 孝徳一年
658 白雉七年 斉明四年 孝徳二年
659 白雉八年 斉明五年 孝徳三年
660 白雉九年 斉明六年 孝徳四年
661 白鳳元年 斉明七年 孝徳五年
662 白鳳二年 天智称制一年 孝徳六年
663 白鳳三年 天智称制二年 孝徳七年
664 白鳳四年 天智称制三年 孝徳八年
665 白鳳五年 天智称制四年 孝徳九年
666 白鳳六年 天智称制五年 孝徳十年
667 白鳳七年 天智称制六年 天智一年(即位)
668 白鳳八年 天智七年(即位) 天智二年

みて下さい。青字の部分、斉明天皇と天智称制の部分の記録を、試しに、大和王朝(近畿天皇家)の記録から、「削除」してみました。

そうすると、生まれたブランクに「敏達天皇⇒孝徳天皇」の記録を12年ずらすと、綺麗にそのブランクを埋めることができます。

より正確に言うと、天智天皇が正式に即位したのは668年なので、667年の一年間だけ「天智称制」があった、ということになってしまいますが、そうした疑問も『日本書紀』をよく読むと、氷解しました。

或本に云う、六年の歳次丁卯の三月に、位に即きたもう。(天智称制六年、667年)

この記録を見ると、実際に天智天皇が即位したのは、667年だっということが判明します。

どうでしょうか?

古田先生のおっしゃられた「12年のズレ」の問題を、綺麗に解決することが、できました。


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関連する問題として、「斉明天皇問題」が、あります。

古田先生は、『日本書紀』の斉明天皇に関する記事は、九州王朝の記事からの登用ではないか、とされていました。

私の年表を見てみてください。

斉明天皇を「大和王朝の年表」から削除しました。この部分の記録は、『日本書紀』の編集者が九州王朝の記録から切り取ってきた、と考えるとスッキリするからです。

当然のことながら、「天智称制」の記事も、九州王朝の記録から切り取ってきたもの、ということになります。

そして、乙巳の変があったとされる皇極四年は、「645年」ではなく、「657年」である、ということになります。

この立場自体は、古田先生も『なかった』第五号の「大化改新批判」で述べておられましたが、最後まで断定されることのないまま、昨年、亡くなられました。

昨年の年末の『朝日新聞』を読んだ際、「一年間の訃報一覧」に古田先生の名前がどこにもなかった時のことは、一生、忘れることができません。『「邪馬台国」はなかった』を出版されるなどして、古田先生を有名にした張本人である『朝日新聞』が、最後の最後で、古田先生の存在を無視するという態度をとったことは、象徴的でした。

残念ながら、大化の改新に関する古田先生の意見は、最期まで完成はされなかったようです。

私もいずれ、将来的には大化の改新や辛亥の変の謎を解明したいと思っていますが、今回はその前段階として、「乙巳の変」に関する意見を、ブログ記事の形ではあるものの、掲載させていただきました。

多元的古代史間の立場に立つ、多くの皆様のご意見を聞かせていただきたいです。

読んでいただき、ありがとうございました。

日野智貴の5つの誓い

一、全ての人間を神の子として祝福礼拝し、縁ある皆様に法愛の精神で接して周囲を和顔愛語讃嘆で満たします。

二、「尊皇愛国・自然共生・生命尊重」を一体のものとして把握し、現代社会の喫緊の課題である地球環境問題に取り組みます。

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