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2016年8月27日 (土)

「緊急事態条項で信教の自由が危ない!」 日本会議の代表委員が自民党改憲草案への「反対」を表明


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憲法改正を推進している保守系国民運動組織「日本会議」は、近年は安倍自民党へ積極的な協力を行っている団体として注目を集めているが、思わぬところから「待った!」がかかった。

平成28年(西暦2016年、皇暦2676年)8月9日、公益財団法人「新日本宗教団体連合会」(新宗連)が、理事長名で「自由民主党・日本国憲法改正草案に対する意見書(二)」と題する文書を発表した。新宗連は、様々な新宗教団体の集まりとして知られる。

新宗連の理事長として、この意見書に署名したのは、保積秀胤氏。保積氏は、大和教団の教主を務めている。

大和教団は、公式HPに「大和の精神は全人類の心のふるさと」と書いてあることでもわかるように、保守色の強い神道系の新宗教である。そして、重要なのは、大和教団の教主である保積秀胤氏は、日本会議の代表委員も務めている、ということだ。

その、日本会議の代表委員である保積秀胤氏の名前で発表された新宗連の意見書は、自民党改憲草案への鋭い突込みであり、現在の安倍政権の方針に対して、明白に「NO」を突き付けるものとなっている。


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まず、この新宗連の意見書は、冒頭部分で、今の安倍政権の動きに「信教の自由」を侵害する懸念があることを強く示唆する。

新日本宗教団体連合会は、現在、自由民主党憲法改正推進本部で行われている憲法改正作業に対して、(中略)将来にわたり基本的人権の根幹をなす「信教の自由」を確固たるものとしていくために、下記のとおり、意見を申し上げます。

最初に「信教の自由」を「基本的人権の根幹をなす」ものである旨を明記した後で、安倍政権による「緊急事態条項」制定の動きに、疑問を呈する。

 日本国憲法改正草案では、緊急事態条項(九十八条、九十九条)が新たに提案されています。貴党・憲法改正推進本部作成の「Q&A」によれば、緊急事態条項は「東日本大震災における政府の対応の反省も踏まえ」との説明が付されています。

 しかし、わが国では、一九五九年の伊勢湾台風での経験をもとに、一九六一年に災害対策基本法が制定され、現在も運用されております。すなわち、大規模自然災害に対しては、東日本大震災などで被災した各自治体の意見を幅広く聴き、同基本法を見直し、整備し、円滑に運用していくことこそが重要であると思量いたします。

もっとも、新宗連は国防のための緊急事態条項制定をも、全否定しているわけでは、ない。

あくまで、自民党政権に対しての慎重な検討を求めているのである。

 また、緊急事態条項は、外部からの武力攻撃、内乱等の社会秩序の混乱を想定したものとのことですが、外国からの攻撃に対しては武力攻撃事態法が既に制定されており、内乱に対しては、警察法において「緊急事態の特別措置」(七十一条~七十五条)が制定されております。

 こうしたことから、緊急事態条項については、既に制定されてあるこれらの法律を見直し、整備するとともに、国民各層の意見を聴き、慎重に検討することを求めるものであります。

だが、この後で、新宗連の意見書は、自民党の改憲草案に対して、明確な「反対」を突き付けるのだ。


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前半では、自民党に対して「慎重な検討」を求めているだけの新宗連意見書であったが、後半では自民党改憲草案の「重要な問題点」を浮き彫りにしている。

 私たちは、貴党・憲法改正推進本部が公表した九十九条「緊急事態の宣言の意味」三項において、緊急事態の宣言が発せられた場合においても最大限尊重されなければならない基本的人権に関して、十四条、十八条、十九条、二十一条が記されていながら、何故に二十条の「信教の自由」が明記されていないのか、未だに理解に至っておりません。

そう、自民党の改憲草案では、「緊急事態においても最大限尊重しなければならない人権」の中に、「法の下の平等」「身体の拘束及び苦役からの自由」等は含まれているにもかかわらず、第20条の「信教の自由」は、含まれていないのだ!

これを裏返すと、自民党改憲草案が実現すると緊急事態に「信教の自由」を制限できるということになってしまう!

新宗連の中には、戦時中に官憲による弾圧を受けた宗教団体も少なくはない。「緊急事態に、信教の自由を制限できる」となれば、戦時中の悪夢が復活すのではないか、と思われても仕方がない。

私の信仰する生長の家も、新宗連には加盟していないが、大東亜戦争の頃は「海ゆかば」を歌うことに反対していた、という理由で特高や憲兵の弾圧を受けていた。当時、ある宗教家が「勝手に天照大神を祀った」という意味不明な理由で弾圧されたこともあったらしく、その頃の生長の家の書籍でも、生長の家創始者・谷口雅春先生がそうした文部省の態度を非難していた。

新宗連の意見書は、さらに続く。

 わが国の歴史を振り返れば、戦前から戦中にかけて国民の権利が制限されるなか、基本的人権の中核をなす「信教の自由」が奪われ、多くの宗教団体が過酷な弾圧を経験しました。こうした歴史を鑑み、九十九条三項において、二十条の「信教の自由」が記載されていないことは、戦前・戦中における宗教弾圧を彷彿とさせるものであり、断じて認めることはできません。

そして、自民党に対しては、「信教の自由」の堅持を求めて、この意見書は締めくくられている。

 憲法改正作業においては、日本国憲法の三大原則の一つである「基本的人権の尊重」をより堅固なものとしていくとともに、あらゆる自由権の源にある「信教の自由」の保障を堅持していかれますよう、強く要望いたします。

最後の署名は、冒頭に触れたように、

   平成二十八年八月八日 

                              新日本宗教団体連合会 

                                   理事長 保積秀胤

と、記されている。

この、保積秀胤氏は、既に述べたように、日本会議の代表委員の一人だ。

自民党の改憲草案には、身内からも、反対の声が上がっているのである。


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保守派界隈の方には、釈迦に説法だと思うが、リベラル派・左派系の方には、ご存知ではない方も多いので言っておくと、日本会議とは、決して、一枚岩の組織では、ない。

ただ、日本会議の事務局を担っている「日本協議会」(日本青年協議会)が、安倍政権の思想的なブレーンとなっており、さらに、事務局として、日本最大の保守系団体である日本会議を、事実上、操っている。

日本協議会は、かつて生長の家を信仰していた活動家らが創った右翼団体であるが、今の生長の家は日本会議とは完全に無関係で、今年6月9日には、安倍政権への不支持を表明している。生長の家信徒である私も、今回の参院選では選挙区・比例区ともに自民党には票を入れなかったし、個人として生活の党の青木愛先生の支援を行ったほどだ。

だが、日本協議会の人たちは、生長の家の別派の人たちを手を組んで、「今の生長の家の教団は左翼だ!」という事実無根のネガティブキャンペーンを貼っている。彼らのことは「生長の家原理主義者」とよばれ、ネット右翼の中枢を担っているという話もある。

しかし、今回、ついに、日本会議の代表委員の中からも、自民党改憲草案への反対の声が上がった。

日本会議の事務局(=生長の家原理主義者)の皆さんは、古巣である生長の家を攻撃する前に、身内すらも説得できない自身の不明と不徳を恥じたらどうであろうか?


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コメント

勉強になります。
私は日野さんの意見にすべて賛成ではありませんが、国体を破壊する唯物論左翼の安倍政権は、打倒しなければなりませんね!

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