『日台漁業協定』と尖閣・竹島問題――中学生でもわかる「安倍政権の七大悪政」＜その一＞
今の日本の総理大臣は安倍晋三という人です。彼は自由民主党という政党の総裁でもあります。この安倍自民党政権については様々な評価があります。
ある人は「安倍晋三は悪い人だ」といい、またある人は「安倍さんは日本のために働いている立派な愛国者だ」と言います。ネットやマスコミでは安倍さんのことを「右翼」で「保守」だという人も多くいます。一般に保守というのは日本の伝統を重視する人たち、右翼というのは天皇陛下を尊敬したり日本という国を愛したりしている人たちを指しますが、本当に安倍さんが我が国の伝統を守り、日本を愛している政治家であればそれは立派なことでしょう。（無論、愛国心は立派なことですがそれが極端に行きすぎると問題もあります。）
しかし、実際には安倍さんは本当に「愛国者」なのか言い難いという実態もあります。
今賛否両論を集めている安倍政権が実際にはどのようなことをしているのか、今日から政治に詳しくない方でもわかるように連載します。
平成二四年（西暦二〇一二年、皇暦二六七二年）十二月十六日、安倍晋三率いる自民党が衆議院議員選挙で圧勝、その結果十日後の十二月二六日に安倍晋三を首相とする政権が誕生します。この時、自民党は公約にいわゆる「右翼」と呼ばれる人たちに似たことを書いていました。
例えば、日本の領土なのに中国が領有権を主張している尖閣諸島に「公務員を駐留させる」ことにより尖閣諸島の実効支配を強化する、といった政策です。こういう「日本の領土を守る」といった愛国的な政策は一般に右翼の人が主張するとされています。ですから、今でも安倍晋三を右翼だという人は多いわけです。
しかし、実際には安倍政権はあの選挙から五年以上たった今でもこの公約を守っていません。恐らく、永久にこの公約は実現しないでしょう。公約は国民との約束です。安倍晋三は「公約にはできる事しか書かない」と言っていましたが、この言葉自体がウソだったのか、それとも「できるのにやらない」約束破りの人間かはわかりませんが、いずれにせよ「尖閣諸島を守る！」という安倍晋三の主張はパフォーマンスに過ぎなかったのです。
もっとも、単なるパフォーマンスであればそれだけで非難される筋合いはないかもしれません。政治家が注目を集めたり人気を取るためにパフォーマンスを取ったりすることはよくありますし、一般社会でも少々見栄を張るぐらいのことは赦されるでしょう。
しかし、安倍政権の本当の問題点は公約と正反対のことをしている、ということです。
平成二五年(西暦二〇一三年、皇暦二六七三年)四月十日、安倍政権は台湾と『日台漁業協定』という協定を締結しました。その内容は尖閣諸島周辺の海を実質台湾に割譲する、という内容のものです。
もっとも「台湾」というと語弊があります。今の世界に台湾という国はありません。台湾は本来日本の領土なのですが、中華民国を名乗る政府が支配しています。この「中華民国」は今の中国である「中華人民共和国」の前の国ですから、本当ならばもう滅んでいる国です。日本政府も台湾にある政府を正統な政府とは認めていません。なので私はこれを台湾の台北に拠点を置いている政府という意味で「台北政府」と呼んでいます。
『日台漁業協定』では尖閣諸島周辺の海域に日本と台湾の漁船の双方が漁業をできると定められましたが、台湾の漁船が日本の法律に従わなくとも日本の領海に入ってこない限り、日本は取り締まることができないのです。しかも、台湾の漁船は船団を組んで日本の排他的経済水域や接続水域で堂々と漁を行うため、小規模な漁船しか持っていない沖縄の漁師の人たちには不利です。その結果、今や尖閣諸島周辺では日本よりも台湾の漁船の方が多い有様です。安倍自民党は尖閣諸島を守るどころか、全く逆の政治をしているわけです。
しかも、表向きはこの協定に領海は含まれていませんが、尖閣諸島の領海は中国や「台北政府」も領有権を主張しています。そして今、尖閣諸島周辺の海域では日本の公船よりも中国や「台北政府」の公船の方が、数が多いのです。
「尖閣諸島を守る！公約にはできる事しか書かない！」と言っていた安倍自民党ですが、安倍政権ができてから尖閣諸島を巡る情勢はむしろ悪化しているのが現状です。
安倍自民党による公約違反はこれだけではありません。
平成二四年の総選挙で安倍自民党は「政府主催の竹島の日式典の開催」を公約にしていました。日本固有の領土なのに韓国が不法占拠している竹島において、日本政府の立場を明確にしようというものです。
ところが、安倍自民党は総選挙の僅か５日後、まだ正式に政権が発足していない段階で「政府主催の竹島の日式典開催」の公約を破棄したのです。
まだ政権も出来ていないのに公約を破棄するとはとんでもない話ですが、それを堂々としたのが安倍自民党なのです。この事一つとっても安倍自民党の「愛国パフォーマンス」がいかに信用できないかがわかるというものです。
マスコミやネットでの「安倍自民党は愛国者である」とか「安倍晋三は右翼である」といった情報はデマです。日本の領土を守るどころか、全く正反対のことをしている安倍政権が愛国者の訳がありません。
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