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2018年7月17日 (火)

「原発ゼロ」を掲げる「小沢・小泉」共闘を立憲民主党は妨害するのか


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 小沢一郎自由党代表と小泉純一郎元総理大臣が急接近している。

 二人は「原発ゼロ」で共闘する意向だ。より正確には「原発ゼロ」を旗印に安倍政権を打倒する気のようだ。

 その方向性自体は良い。環境問題を安倍政権との対抗軸にする手法は、間違ってはいない。

 最近、小沢代表はマレーシアでの政権交代の例に関心を持っている。

 マレーシアではマハティール元首相が与党から離党し、野党共闘の旗印となって政権交代を実現した。

 そのカギは、これまで与党を支えていた保守的な層が野党勢力と共闘するようになったことがある。

 小沢代表もそのことを意識しているのだろう。かつて自民党を率いた小泉元首相が旗印になって野党を率いると政権交代の可能性も高まる、と読んでいるのだ。

 今の日本は「安倍一強」と言われている状態だが、冷静にデータを分析すると言われているほど安倍自民党の支持率は高くない。

 世論調査の結果はあくまで国民の「気分」を現す者である。過去の選挙を見ても世論調査と選挙結果が一致しないことは大きい。

 それでは過去の選挙結果から自民党の得票を見て見よう。

 ここでは衆議院比例代表における自民党と公明党の得票数を掲載する。

 

年号 自民党の得票数 公明党の得票数
平成21年 18,810,217 8,054,007
平成24年 16,624,457 7,116,474
平成26年 17,658,916 7,314,236
平成29年 18,555,717 6,977,712

 平成21年(西暦2009年、皇暦2669年)の総選挙では自民党と公明党は歴史的な惨敗を喫している。

 そしてその後、自民党と公明党は票を増やすどころか、むしろ減らしている。

 与党になってから票が回復し始めたが、それでも平成21年の水準にすら戻っていない。

 ちなみに最初の小選挙区比例代表制の総選挙である平成8年(西暦1996年、皇暦2656年)の総選挙の比例代表では自民党は22,335,288票を獲得している。

 同じ選挙制度でもかつては2000万票以上獲得していたのが自民党なのだ。今はその面影は存在しない。公明党に至っては誰がどう見ても党勢が凋落傾向にある。

 ところで、だ。

 自民党と公明党は明らかに票を減らしているのに、どうしてどの政党も政権を奪えないのだろうか?

 現に平成21年の時点の自民・公明両党は今よりもはるかに得票数があったのに政権を失った。冷静にデータを見ると自公連立政権を崩壊させることは自公連立政権の票が減らなくとも可能なはずである。


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 ここで面白いデータがある。

 平成29年時点の希望の党と立憲民主党の比例代表での得票数を足すと希望の党が9,677,524 票で立憲民主党が11,084,890票だから、足すと軽く2000万票は越える。つまり、希望の党と立憲民主党の得票数を足すと自民党の得票数を軽く超えるということだ。

 このことから旧民進党の分裂が自民党延命の最大の原因であったと言えるだろう。

 また、民進党を丸ごと希望の党に合流させようとした前原誠司代表(当時)の判断自体は正しかった。民進党と希望の党を一本化していれば政権交代ができた可能性は高まっていたからだ。

 とは言え、一方ではこれを反するデータがある。同じ選挙での小選挙区での得票数だ。

 ここでは自民党は2650万票も獲得している。ちなみに平成21年の総選挙では2730万票も獲得していたから、やはり小選挙区でも自民党は票を減らしてはいるのであるが、比例代表ほどではないのだ。

 これはどういうことか。この「謎」を解けないと政権交代は永遠に実現できない。

 まず、重要なことは希望の党と立憲民主党は全ての小選挙区に候補者を擁立できていないということである。

 それではそもそも本気で政権交代を狙っているのかは疑わしいが、それでも平成29年の総選挙では希望の党や立憲民主党が候補者を出していない選挙区でも共産党や社民党が候補者を出していた。

 もしも有権者が「反自民」を第一に考えていれば、小選挙区でもっと共産党や社民党が票を伸ばしていたはずである。なのにそうならないのはなぜか?

 事実は簡単だ。国民は「反自民」である以上に「反共産」であり「反社民」である、という厳然たる事実が選挙結果からわかるのである。

 国民の一定数は「自民・公明」か「共産・社民」か、を迫られると前者を選択するわけだ。

 安倍政権を崩壊させ政権交代を実現させるためには、そうした国民の支持を得なければならない。

 つまり「右派・保守層」の国民へのアプローチが必要なのである。


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 ところで、今の安倍自民党の比例代表での得票数は1800万票前後であるが、小泉元首相が自民党を率いていた頃は違った。

 その頃(平成17年(西暦2005年、西暦2665年)の衆議院議員選挙)の自民党は比例代表で25,887,798票を獲得していたのである。

 つまり、小泉自民党は安倍自民党よりも約700万票も多く票を得ていたわけだ。

 言い換えると「小泉自民党には票を入れたが、安倍自民党には票を入れない」という有権者が700万人もいることになる。この存在は大きい。

 というのも、当時の最大野党である民主党は21,036,425票を獲得していた。もしもこの700万票が野党側に動いていれば自民党と民主党は逆転していたのである。

 ちなみに、前回の総選挙での希望の党と立憲民主党の票数を足すと当時の民主党とほぼ同じだ。だから旧民主党系の野党が分裂せず、さらに小泉元首相を旗印に集まると政権交代の可能性は充分にある。

 もっとも希望の党は分裂して、国民民主党と新しい希望の党とに再編された。これで旧民主党の基礎票はまた分断されたことになる。

 ここでカギとなるのは立憲民主党の動向である。「小沢・小泉」共闘を妨害する可能性が最も高いのは立憲民主党だ。

 立憲民主党の枝野幸男代表はかつて「民自公三党合意」を成立させた当事者である。この「民自公三党合意」が民主党分裂を招き、その結果前回総選挙よりも票を減らしたはずの安倍自民党が圧勝するということになった。

 枝野代表は「全原発停止は集団自殺だ」と公言していた仙谷由人元官房長官の後継者とされていた人物である。彼は自民・公明両党や既得権益側と裏で繋がり、反自民勢力分断のために動いていた可能性がある。

 また立憲民主党最高顧問の菅直人元首相に至ってはかつて国策捜査で小沢代表を失脚させようとした張本人だ。彼は反自民勢力分断のために「動いていた可能性がある」というレベルではなく、明確に分断のために「動いていた」人間である。


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 私は立憲民主党は「反自民のふりをした自民党の補完勢力」と位置付けている。

 しかしながら、立憲民主党も表向きは「野党共闘」を掲げている。枝野代表は「反自民」の振りをして票を集めた人間であるから、この「野党共闘」の看板を下ろすことはないと思われる。

 それでは「野党共闘」の看板を掲げつつ「小沢・小泉」共闘を失敗させるにはどうしたらよいか、これが今の立憲民主党に与えられた課題である。

 そのためには「野党共闘」の建前を維持しつつ、「小沢・小泉」共闘を失敗させなければならない。

 平成17年の総選挙での民主党の得票数、平成29年の希望の党と立憲民主党の得票数から考えると、10年以上の時を経ているにもかかわらず、民主党系の政党に投票する有権者は2000万人近くいることがわかる。

 彼らの票が一本化されると自民党を軽く超える。それに小泉元首相への票も加わると政権交代実現の可能性は一挙に高まる。

 そこで立憲民主党はまず、旧民主党系の2000万人の有権者を分断させるはずだ。

 具体的には旧希望の党が希望の党と国民民主党とに分断されたことを利用するのである。希望の党を野党共闘から排除すれば旧民主党系の有権者のいくらかを野党共闘から排除することが可能である。

 希望の党は「原発ゼロ」を公約にしている。本来ならば「原発ゼロ」を旗印にした「小沢・小泉」共闘に参加する資格はある。それを妨害するためには「希望の党は実は脱原発勢力ではない」という「印象操作」を行う必要がある。

 希望の党の行田邦子幹事長は「原発ゼロ」を訴えて原発再稼働を推進していた野田政権に反発し、当時の民主党から離党した経歴の持ち主である。

 一方、立憲民主党の枝野代表は原発事故の時に「放射能は直ちに影響はありません」と叫び、さらには原発再稼働を推進する野田政権を支えた人間である。その顔触れを見ると立憲民主党幹部よりも希望の党幹部の方が一貫して「原発ゼロ」を主張している。

 だが、マスコミは「希望の党は安倍政権の補完勢力」という宣伝をしており、立憲民主党も当然のようにそのような印象操作に協力している。

 立憲民主党はこのマスコミによる印象操作をフルに活用して「希望の党、排除」を実現すると思われる。


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 次に立憲民主党がすると思われるのが「共産党との共闘」と「維新の会の排除」である。

 現に立憲民主党は共産党や社民党との連携を加速させている。しかし、国民の一定数は「共産党や社民党よりも自民党や公明党の方がマシ」と考えている。

 特に「小泉自民党には投票したが安倍自民党には投票しなかった層」にはそうした人間が多いと思われる。

 また「小泉自民党には投票したが安倍自民党には投票しなかった層」の票がどこに消えたのか、も考える必要がある。

 旧民主党系の政党に行ったわけではない。平成17年と現在の民主党系の政党の得票数はほぼ同じである。

 ではどこか。その中には棄権した人間も多いと思われるが、相当数が民主党系の政党でもなく、共産党や社民党でもない政党に投票したと思われる。

 つまり、日本維新の会である。

 大阪においては自民党と共産党が手を組んで日本維新の会を攻撃するという「自共共闘」が行われている。

 一方で日本維新の会の中には安倍政権に近い勢力もいる。

 この日本維新の会が安倍政権側に付くか、それとも「小沢・小泉」共闘側に付くか、で政界の光景は大きく変わる。

 もしも立憲民主党が共産党との共闘を主張するならば、維新の会排除も同時に主張するはずである。なぜならば共産党は自民党以上に維新の会を敵視しているからである。

 ところで日本維新の会も「原発フィードアウト」を主張している。仮に立憲民主党の目論見通り「小沢・小泉」共闘から希望の党を排除し共産党を参加させると、日本維新の会は希望の党と一緒に「原発フィードアウト」を掲げて共闘する可能性がある。

 そうなると「原発ゼロ」勢力が「維新・希望」共闘陣営と「小沢・小泉」共闘陣営とに分断されることになる。

 そして維新の会は「親小泉・反安倍」票を、希望の党は「旧民主党」票をそれぞれ「小沢・小泉」共闘から奪い取ることになる。

 そうなれば再び野党分断によって安倍自民党が勝利する可能性が出て来る。

 安倍政権は当然、「小沢・小泉」共闘側の狙いは察知している。すると政権維持のために維新・希望両党と立憲民主党の離間工作を仕掛けていると考えられる。

 現に日本維新の会と立憲民主党の関係は良くない。維新の松井代表は大阪府知事として大阪都構想や大阪万博構想を実現するために安倍政権の協力が必要であり、安倍政権による離間工作に乗る可能性は高い。


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 「小沢・小泉」共闘は「維新・希望」と「共産・社民」のどちらを採るか、という選択を迫られる。

 政権交代のためには「共産・社民」よりも「自民・公明」の方がマシ、という層が相当数存在する以上「共産・社民」ではなく「維新・希望」を採る以外に選択肢はない。

 しかし、立憲民主党が「共産・社民」との共闘を強硬に主張して「維新・希望」との共闘を拒絶する限り、「小沢・小泉」共闘は失敗することになる。

 私はどうもそれこそが立憲民主党の狙っているシナリオではないか、という気がする。

 どういうことか。

 今から掲げるのはあくまで一つの予想である。そのつもりで聴いていただきたい。

 「小沢・小泉」共闘が実現し、小泉純一郎元首相を総理大臣候補にして「原発ゼロ」を掲げた国民民主党・立憲民主党・自由党が選挙戦を戦う。さらには小泉進次郎議員を始めとする自民党議員の一部も造反してこれに加わる。

 一方で維新・希望両党も「原発ゼロ」を掲げる。すると小選挙区では「維新・希望」共闘と「小沢・小泉」共闘の候補者によって野党票が分断され、相対的に自民党の候補者が当選することになる。

 小泉元首相も小沢代表も共産党とは一緒に政権をつくらない、と述べている。だから国民民主党・自由党・自民党造反組は共産・社民両党とは全面的な共闘はしない。しかし立憲民主党は共産・社民と全面的な共闘をする。

 そうなるとどうなるか。恐らく比例代表では「小沢・小泉」共闘側が勝利する。しかし小選挙区での「小沢・小泉」共闘側で当選する人間は、維新・希望の代わりに共産・社民と共闘した立憲民主党の議員が圧倒的多数となる。

 つまり、立憲民主党は野党第一党のポジションを維持できるのである。それだけではない。

 維新・希望の得票数は「小沢・小泉」共闘側と比べると少ないと思われる。すると比例代表では「小沢・小泉」共闘側が自民党を上回る可能性は高い。また小選挙区でも「小沢・小泉」共闘側に参加した自民党造反組は当選し、自民党の議席は大幅に減る。

 もし自民党の議席が過半数に届かなかった場合、安倍首相は退陣となる。では自民党以外の野党が連立政権を組めるか、というとそれは出来ない。立憲民主党と維新・希望両党の間に激しい分断が起きているはずだからだ。

 ならば自民党は維新・希望両党か立憲民主党のいずれかと連立を組んで政権を維持しようとする。

 しかし安倍首相が退陣すると自民党と維新の会の間には溝ができる。自民党は共産党組んでまで維新の会と対立した過去があるからである。安倍首相と松井代表の個人的な関係がない限り、自民党と維新の会の連立は難しい。

 そこで過去に実際に「民自公三党合意」で自民・公明と連携したこともある枝野代表率いる立憲民主党が「自公立連立政権」を樹立するのである。

 立憲民主党がこのシナリオを狙っている可能性は高いと私は考える。


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 ところでここまで読んで読者はある疑問を抱かれなかっただろうか?

「どうして『維新・希望』と『共産・社民』は(表向きにしろ)脱原発を掲げているのに、対立しないといけないの?」

と。この疑問を抱けた方は鋭い。

 一般に「維新・希望」は右派・保守であり、「共産・社民」は左派・革新である、とされている。

 だが、この両者の主張には共通点も多い。

「脱原発」

「消費税増税反対」

といった面では彼らの政策は同じベクトルを向いている、といえる。

 そう、右派と左派によって対立することが恰も自明のことになっている今の日本の政治状況こそが、一つの罠なのである。

 維新・希望の背後にはグローバリストという勢力がある。彼らは簡単に言うと「国境を越えて金儲けしよう」という勢力である。

 共産・社民の背後には共産主義勢力がいる。彼らは簡単に言うと「将来的には天皇制を廃止して計画経済で運営される科学的な社会主義国家をつくろう」という勢力である。

 どちらも我が国の伝統を軽視する勢力であり、また国民の多くは「国境を越えた金儲け」にも「計画経済による科学的社会主義」にも魅力を感じていない。

 多くの国民は貧困の恐れのない世界に住みたいと考えているはずであるし、かと言って「科学的な計画」とやらに支配される世界に住みたいとも考えていないはずである。

 そう言った国民の願いを叶える思想がある。

 それが「家族国家共同体」である。

 詳細は省くが、グローバリズムも共産主義も家族国家共同体の理念が実現していないから勢力を拡大しているのである。

 この「家族国家共同体」の理念に国民が目覚めない限り、いつまでも国民は分断され、国民が分断されるから野党も分断されて、票を減らしているはずの自民党が権力を握るのである。

 「小沢・小泉」共闘は現時点では立憲民主党の妨害によって崩壊する可能性が高いが、より根本的な問題は「家族国家共同体」を理念に掲げないことにあるのだ。


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一、全ての人間を神の子として祝福礼拝し、縁ある皆様に法愛の精神で接して周囲を和顔愛語讃嘆で満たします。

二、「尊皇愛国・自然共生・生命尊重」を一体のものとして把握し、現代社会の喫緊の課題である地球環境問題に取り組みます。

三、生長の家総裁に中心帰一して人類光明化運動・国際平和信仰運動を通した日本国実相顕現に邁進します。

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